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雑音パビリオン

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詩と日記。雑音も、時には心地よくなったりしないもんかな。

D-『わたくし率イン歯ー、または世界』(川上未映子 著)

D-『わたくし率イン歯ー、または世界』(川上未映子 著)_a0166710_192622100.jpg人はいったい体のどこで考えているのか。それは脳、ではなく歯―人並みはずれて健康な奥歯、であると決めた<わたし>は、歯科助手に転職し、恋人の青木を想い、まだ見ぬ我が子にむけ日記を綴る。哲学的テーマをリズミカルな独創的文体で描き、芥川賞候補となった表題作ほか一編を収録。著者初の小説集。

□初・川上未映子さんです。ひどく印象的な言葉を使う人、という印象はあったのだけど、まったく本当にその通りでした。
脳ではなく、歯。奥歯で私は考える。奥歯にこそ、わたしが。歯科助手に転職して、恋人の青木に手紙を書き、子どもに日記を綴り、三年子さんから受ける痛みをそのまま抱えて、私は奥歯で考える。
あぁ、絵がない分、小説は読み進めないとやっぱりわからないものでまさか、まさかねぇ、この展開とは・・・・・・。私は奥歯で考える。だけど、その、考えた先? 痛みを知らない丈夫な歯に、詰め込んできたものが、痛くて。
本自体は分厚くないので、読みやすいと思いますよ~。発売されたばかりなので、是非本屋さんで見つけてみてください。



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by noise-pavilion | 2010-08-01 19:54 | ■こんな本を読みました

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